京葉電子工業
FileMaker2016.06.10 公開質の高い仕事を
いかに楽に実現できるかを
追求し続ける
FileMaker2016.06.10 公開質の高い仕事を
いかに楽に実現できるかを
追求し続ける
臨床工学部門長 市川 匠様
大事なのはわかるけど、
記録ってメンドクサイ!
維持透析患者では足病変のリスクは非常に高く、異変を可能な限り早期に発見し、適切な対応をとることが求められます。当院でも看護師を中心としてフットケアに取り組んでいますが、実務を行うに当たってスタッフの口から聞こえてきたのが冒頭の言葉でした。
従来のフットケアのあり方では、透析室で勤務する看護師さんへの業務負荷が大きく、従来の業務フローの中にどう組み込んでいくかが悩みの種でした。そこで、ICT技術を利用し、処置作業以外の負担を大きく減らすことで現場の負担感を減らすことが出来ないだろうかと考えたのが開発のきっかけでした。
とにかく現場の意見を
リサーチする!
開発に当たり最も重要視したのは、「どうしたら楽に業務が出来るのか?」です。可視性が高く綺麗な記録が作れる、情報量の多い記録が作れるといったことはとても大事なことですが、実作業者の負担が増える様な方法では、短期的にはともかく長期的に見た場合には、診療の質が低下するか、記録の内容がおざなりになる結果が見えています。
従来のフットケアでは、①観察 ②記録 ③処置 ④カルテファイリング という流れで行われますが、①及び③の手技操作以外の部分は、ICT技術を生かす余地があるように感じられました。看護師さんへのヒアリングの結果を見ても、作業と同じかそれ以上に時間をかけている雑務の部分にいらだちを感じているように思えました。
コメディカルは専門性を生かした業務に多くの時間を割くべきであり、業務の効率化というのは、決して「ただ楽をする」と言うことではなく、「本来の仕事の時間を増やす」ことであり、その結果として、「診療の質が向上する」、「スタッフのモチベーションが上がる」という相乗効果が生まれるのではないでしょうか。その為、とにかく現場の意見を拾い上げて作ることを意識しました。
現場の「満足している」は
本音なのか?
試作品が完成し現場の評価を伺ってみると、「良いと思います。」「満足です。」と概ね好評な反応が返ってきました。しかし、いざ臨床でデモ運用してみると、要改善個所が山のように出てきました。このような改善要望に関して迅速な対応が出来るのが現場主導でのアジャイル型開発の最大の利点だと思います。
また、「満足している」と答えていたスタッフにも改めて尋ねると、「実はここも変えて欲しかった。」「あんな機能は付けられないのか?」という答えが返ってくることも珍しくはありません。業務フローや運用が変わることで、システムの改修が必要になることは珍しくありませんし、良いシステムに触れて触発されたスタッフから高度な要求が出始めることも十分にあり得ることです。
必要なときに必要な変更が出来ないシステムは、個人的には良いシステムとは評価できません。周りを見渡しても、「業務を助けるためのシステムの仕様に、現場が合わせて業務を行う」という本末転倒な事態を、何の疑問もなく受け入れている病院・施設が多いのに驚かされます。「仕方ない。」「こういうものだから。」と思う前に、システムへの要求仕様は声を大にして言うべきです。そういった観点からも、現場のスタッフのさりげない一言を拾い上げられる開発環境はとても大事だと思っています。
地域診療連携に始まる
真の医療ICT化を切り開く
現状では日本の医療IT化は、他分野や諸外国に比べ10年以上の後れを取っています。
本年度は長らくくすぶっていた遠隔診療に関する新しい指針も出ましたし、なにより地域包括ケアによる、医療と介護、またはその他の分野とのデータ連携も重要となってきています。しかしながら、これら喫緊の課題についても、国策として具体的かつ有効性のある政策がとられることはなく、民間もしくは地方自治体の活動に委ねられています。
今後は、施設診療と在宅診療の両方を行っている医療法人として、他分野との接点から得られる情報を最大限に活用し、東京都区部城南・城西エリアを発信源として様々な情報を発信していきたいと考えています。
フットケア支援アプリ
「ふっと看る」の主な機能
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スケジューラ
「誰が」「いつ」「何をする(したのか)」をカレンダー管理
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アセスメント記録
選択式インターフェースにより、容易な入力サポート
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シェーマ・写真記録
シェーマやカメラ画像記録と、記録用画像への注釈書き込み機能
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記録の印刷機能
記録終了時にPDF化し、作業終了時に自動保存
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電子カルテ連携
PDFまたはXMLによるデータ連携を実装