平成30年4月の診療報酬改定は、これからの少子超高齢社会を踏まて、地域包括ケアシステムの推進、国民皆保険制度の安定、継続に向けて、「業務効率化」の観点からICT(情報通信技術)の活用を重視した改定内容となりました。

オンライン診療料・オンライン医学管理料の新設

今改定の目玉であった「遠隔診療」については、情報通信機器を活用した「オンライン診療」と名称変更が行われました。あくまで対面診療を原則として、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、「オンライン診療料(70点)」と「オンライン医学管理料(100点)」「在宅時医学総合管理料 オンライン在宅管理料(100点)」「精神科在宅患者支援管理料 精神科オンライン在宅管理料(100点)」が新設されました。

診療報酬におけるオンライン診療の初めての評価ということもあり、「初診から6か月を経過した医学管理(特定疾患療養管理料など)を実施している再診患者」と、かなり利用シーンが限定されたものとなりました。点数のことよりも、利用シーンに大きな制限がかかったことにより、「思ったより高い点数がつかなかった」という声よりも、「算定自体が難しい」と点数自体への落胆の声が聞こえてきます。

また、施設基準についても、(1) 厚生労働省の定める指針に沿って診療を行う体制 (2) 緊急時に30 分以内に診察可能な体制 (3)一月あたりの再診料等及びオンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の割合が1割以下であること、とされています。特に(2)の30分以内の応受体制が対面となる場合は、近場の患者のみの提供に限定されることになります。この部分は疑義解釈が出そうです。

電話再診料等も一部付則事項が加わる

オンライン診療料の新設前に利用されてきた「電話再診等(72点)」については、「定期的な医学管理を前提として行われる場合は算定できない」と付則が追加され、オンライン診療料との棲み分けが明確化されています。再診時に医学管理料を算定した場合は、オンライン診療料が算定できなくなると読み取れますので、この部分も明確な解釈が出てきそうです。

ICTを活用した関係機関連携の推進

一方で、地域での医療連携や医療と介護の連携を推進するため、医療従事者間の効率的な情報共有・連携を促進する観点から、「退院時共同指導料」等について、連携会議や情報共有等にICTを活用することができるよう要件が緩和されました。

従来、対面でのカンファレンスの参加を求めていた多職種間でのカンファレンスなどの評価について、一定の条件の下でICTを用いたカンファレンス等を組み合わせて開催できるように要件が見直されています。

この要件緩和により、日々忙しい医師や医療従事者が患家や病院などに出向いてカンファレンスに参加するのではなく、TV会議システムでの参加が可能となるため、移動時間の削減になり業務効率が向上されることでしょう。

医療のICT化の活用は始まったばかり、今後の変化への準備が必要

今回の診療報酬改定におけるICT(情報通信機器の活用)に関する評価は、移動にかかる「距離」および「時間」の短縮効果が効率的考えて行われたことでしょう。つまり、医療機関がICTの活用を進めることで、効率的な医療サービスの提供が行え、医療費の適正配分につながると政府は考え、ICT化の評価が行われています。

しかしながら、今回のオンライン診療をはじめとするICT化に関する評価は、始まったばかりということもあり、慎重な対応となりました。が、点数や算定の仕組みについて一喜一憂するのではなく、今後の医療ICT分野の拡大に向けた準備が必要との認識が大切であると感じました。